頑張り屋さんほど、空回りする人になっていることがあります。
他の人よりも努力を続けているのに、仕事の成果が見えず疲れるばかりの経験に悩む人も少なくありません。
でも、必ずしも努力が無駄というわけではなく、あなたの働き方や管理方法を少し見直すだけで状況を大きく変えることができるのです。
今回は、空回りの原因をひも解き、具体的な改善策とともにポジティブな変化を促す方法をご紹介します。
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空回りする人が仕事で抱える自己管理の8つの課題

- 自分の限界を見極められない
- タスクの優先順位をつけるのが苦手
- 頼まれると断れない性格
- スケジュールの過密化
- 完璧主義の追求
- 休息の優先度が低い
- 現状の見直しを怠る
- 周囲とのバランスを考えない
努力家であることは素晴らしいことですが、努力が空回りしてしまうと、仕事においてつらい状況になることがあります。
空回りする状況の背景には、自己管理の不足が隠れている場合が多いので注意が必要です。「空回りする人」が仕事で直面しやすい8つの課題を具体的に見ていきましょう。
課題1:自分の限界を見極められない
空回りする人にもっともよく見られる課題が、自分の限界を正確に把握できていないことです。
「これくらいならできる」という過信が、知らないうちに大きな負担となり、疲労やミスを引き起こします。その結果、せっかくの努力が成果として評価される前に、力尽きてしまうことも少なくありません。
たとえば、営業の現場では「もう1件訪問できる」という意識から、予定をオーバーしてしまい、体力を消耗して次の日のパフォーマンスが低下することがあります。
とくに、商社の営業は、仕事を取り込めば取り込むほど終わりがない状態になるため、自分の限界を把握しておくことが重要です。
無理を続けることで職場の同僚や上司からも「無理をしている」と見られ、ミスや遅れが続くことで信頼を損なうことにもつながるため注意が必要です。
自分の体調や能力を定期的に振り返る習慣を作りましょう。タスクをこなすスピードやクオリティを記録し、無理なく取り組める範囲を明確にすることが重要です。
課題2:タスクの優先順位をつけるのが苦手
忙しい日々の中では、すべてのタスクが緊急かつ重要に見えてしまうことがあります。
しかし、何に重点を置くべきかわからないままだと、時間だけが過ぎてしまい、肝心な部分が疎かになるリスクが高まります。
たとえば、取引先の対応と事務作業が重なる日に注意しましょう。
どちらも「早めにやらなければ」と焦るあまり、どちらの完成度も中途半端になってしまうことがあります。
自分なりにがんばっていたとしても、中途半端な仕事をしてしまうことで、顧客満足度も業務効率も低下してしまうのです。
仕事を「緊急度」と「重要度」の2軸で評価し、優先すべきタスクを整理する方法を取り入れてみましょう。やることをリスト化したり、行動計画を活用しましょう。

課題3:頼まれると断れない性格
「NO」と言えない性格の人は、仕事をどんどん引き受けてしまい、結果として自分のタスクが後回しになることがあります。
まわりの人に良い印象を持たれることが目的であっても、実際にはオーバーワークにつながり、信頼を損ねることがあるので注意が必要です。
たとえば、営業チームのリーダーが、他部署からの依頼を全て引き受けるケースがあります。
リーダーが安請け合いをした結果、チーム内の進行管理が滞り、本来の営業活動が疎かになってしまうことで、チーム全体の評価が下がることにつながり、チーム内からリーダーの信頼はなくなります。
「No」と言う練習を始めましょう。まずは、小さな依頼から断ってみることを試し、自分の業務範囲をしっかり守る意識を持つことが大切です。
課題4:スケジュールの過密化
スケジュールがギチギチに詰まっていると、突発的なタスクや問題が発生した際に対応できないので注意が必要です。予定が詰まっていないと安心できない人は、とくに注意しましょう。
行動計画を立てる際に、現実的な時間配分を見誤ると、計画倒れになりがちです。
たとえば、1日の訪問予定を詰め込みすぎた場合、交通渋滞や取引先との話し込みなど予想外の要因で予定がズレ込むことがあります。
予定を空けてくれた他の取引先への訪問に遅刻をしたりキャンセルをすることになり、結果的に信頼を損なうことにつながります。
スケジュールには必ず余裕時間を組み込み、突発的なタスクにも対応できる柔軟性を持たせましょう。終了予定時間を設定することで、メリハリのある働き方ができるようになります。
課題5:完璧主義の追求
完璧主義は高い成果を追い求める良い特性でもありますが、極端になると逆効果です。
重要なのは、タスクを期限内に「きちんと終わらせる」ことであり、100点満点にこだわりすぎると大きな効率低下を招きます。
たとえば、提案資料を作成する際にデザインやフォントに異常にこだわるあまり、本来の企画内容や提出期限を守れない状況になることがあります。
本来は提案が採用されるために資料を作っているのに、資料を作ることがゴールに設定されている状態です。
結果よりもプロセスに注力しすぎてしまう状態にならないためには、仕事の目的を明確にした上で、取り組むことが大切です。
80%の完成度を目標にし、フィードバックをもとに仕上げるプロセスに切り替えることで、スピードと質のバランスを取ることができます。
課題6:休息の優先度が低い
忙しいときほど休息を軽視しがちですが、休息は仕事の質を保つ上で重要です。無理を重ねると心身ともに消耗し、集中力や判断力が低下します。
たとえば、営業マンが昼休みを削って取引先の対応を続けるケースがあります。
短期的にはタスクをこなせているように見えても、午後の時間帯にエネルギーが切れ、全体的なパフォーマンスが下がってしまうことがよくあるので注意しましょう。
計画的に休息時間を確保し、リフレッシュの習慣を作りましょう。短い瞑想や軽い運動を取り入れるのも効果的です。
課題7:現状の見直しを怠る
現状維持を続けることは安心感を生む一方で、変化を拒む原因にもなります。
変化を嫌うことで、非効率な仕事のやり方に気づかないまま、長期間にわたり同じミスを繰り返してしまうこともあるので注意が必要です。
たとえば、取引先リストを古いまま更新せず、新しい潜在顧客を見逃してしまうことがあります。売上チャンスを失い、さらなる改善の必要性にも気づけなくなります。
新規顧客を獲得することに注力しすぎて、既存顧客になったら放置する営業パーソンがいますが、そもそも何のために新規顧客を獲得したのかを考えてみましょう。
1週間に一度、現在のタスク状況やスケジュールをレビューする時間を設けましょう。自分の仕事を振り返ることで、無駄なプロセスを発見し、改善策を立てることができます。
課題8:周囲とのバランスを考えない
チームとして働く職場では、個人だけで仕事を進めるのではなく、周囲と協力して進めることが必要です。自己完結型の働き方を続けると、まわりの協力が得られず、結果的に生産性が低下します。
たとえば、営業成績を独占したいがためにチームのノウハウ共有を避けるケースがあります。この結果、個人の成績は上がるかもしれませんが、チーム全体のパフォーマンスにはマイナスの影響を与えます。
周囲に協力を依頼し、適切な分担を行うことを意識しましょう。コミュニケーションの頻度を増やすことで、チームとしての成果を最大化できます。
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【まとめ】空回りする人が仕事での自己管理を見直す

空回りの原因は、自己管理の不足に起因することが多いですが、空回りする人は努力家が多いことにも目を向ける必要があります。
仕事はチームで動く以上、自己完結型に特化しすぎて、自分のことしかやらない状態にならないように注意しましょう。
今回ご紹介した8つの課題で当てはまるものがあれば、一つずつ見直すことで、効率的で充実した働き方に変えていくことができます。
まず、自分の限界や優先すべきタスクを把握し、無理なく行動することが大切です。
完璧を求めることや、すべての依頼を受け入れることに固執せず、自分にとって本当に重要なことに集中しましょう。また、適切に休息を取り入れ、状況を冷静に見直す時間を作ることも重要です。
自己管理の習慣を身につけることで、空回りから抜け出し、自分らしい働き方を実現できるようになります。小さな改善を積み重ねることで、大きな成果を得られるはずです。
まずは、自分の行動を振り返ることで、現状把握をしてみましょう。
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