課長といえば忙しいというイメージが強いですよね。
実際、出世を望まない人が増えている理由のひとつに、課長職の忙しさが挙げられます。課長の給料と忙しさを考えると、割に合わないと感じるのも無理はありません。
しかし、ゴールを課長ではなく、部長や取締役、社長と設定すれば、なぜ課長が忙しいのかが見えてきます。課長職はキャリアの通過点に過ぎません。キャリアアップを目指すなら、「課長は忙しそうで割に合わない」と考えるのではなく、なぜ課長が忙しいのかを理解することが重要です。
今回は、キャリアアップを目指す管理職前の人向けの記事です。課長が忙しい理由とその対処法を知ることで、周囲の目標となる管理職を目指しましょう。
課長が忙しい3つの理由
- 課長の忙しさの真実：実務と管理職の二重奏
- 課長の忙しさの真実：人間関係の調整役としての役割
- 課長の忙しさの真実：管理職としての基本を学ぶ重要性
課長職は昇進の中間地点であり、次のステップに進むための重要な役割を担っています。
課長が忙しい理由を理解し、適切に対処することで、体を壊すことなく職務を全うし、さらなるキャリアアップを目指すことができます。
課長が忙しい3つの理由と対処法について確認していきましょう。
課長の忙しさの真実：実務と管理職の二重奏
現代のビジネスシーンにおいて、課長が忙しい理由は明白です。
彼らは日々の実務をこなしながら、管理職としての責務も果たさなければならないからです。役職の観点から見ると、課長職は管理職の一部と見なされますが、その実態は少し異なります。
本来、管理職とはマネジメントを行うマネージャー職を指します。しかし、日本の多くの課長職は「プレイングマネージャー」としての役割を担っています。
たとえば、営業課長の場合、営業担当としての業務を遂行しつつ、課員のマネジメントや課の運営も任されるのです。
このように、課長職はプレイヤーとマネージャーの二重奏をこなす必要があり、その忙しさは計り知れません。彼らの努力と献身が、組織全体の成功を支えているのです。
課長はプレイングマネージャーでいる限り忙しい
プレイングマネージャーとしての役割を担う間、組織上では管理職とされますが、実際には管理職見習いのような立場です。とくに、実務能力の高さが評価されて昇進した課長は注意が必要です。
実務能力の高い課長は、部下に任せるよりも自分でやった方が早く成果を出せると考えがちです。実際、個人の能力で競えば、課長が課員よりも優れていることが多いでしょう。
しかし、いつまでも自分が一番のプレイヤーでいることを目指してしまうと、プレイングマネージャーから真のマネージャーへと成長することができません。
このような罠に陥らないためには、課長自身がマネジメントスキルを磨き、部下に仕事を任せる勇気を持つことが重要です。
組織全体の成功を目指すためには、個人の成果だけでなく、チーム全体の成長と成果を重視する姿勢が求められます。
組織運営を意識してチームとして成果を出す
課長の仕事は、チームとしての成果を最大化することです。
個人の力に頼るのではなく、組織運営の意識を持つことで、本来のマネジメントが始まります。
まずは、課員の優秀な部分を見つけ出しましょう。適材適所を意識し、適切な配置を行うことができれば、組織はあなたをいつまでもプレイングマネージャーに留めておくことはできなくなるでしょう。
マネジメントを学び、リーダーシップを発揮することで、ただ忙しいだけの課長（プレイングマネージャー）から、成果を継続して出せる課長（マネージャー）へと成長することができます。
組織全体の成功を目指し、チームの力を引き出すことが、真の課長の役割なのです。
課長の忙しさの真実：人間関係の調整役としての役割
課長の忙しさは、中間管理職としての人間関係の調整からもきています。
管理職として会社側の立場に立ちながら、上司からの指示を理解し、部下に会社の進む方向性を示すことが求められます。上司と部下の板挟みになることが多く、ストレスを溜めやすいのが中間管理職の特徴とも言えるでしょう。
上司からのプレッシャーを受けて一方的に業務命令を出しても、部下はついてきません。部下が納得し、行動に移せるように導くことが課長の重要な役割です。課長の忙しさの一因は、上司と部下の間でクッション材として調整を行わなければならないことにあります。
課長は、調整役としてのスキルを磨くことで、組織全体の成功に貢献することができるのです。
部下からのプレッシャー
これまで同僚たちと酒の席で上司の文句を言っていたとしても、課長になれば状況は一変します。
元同僚や課員からは、煙たい上司として見られることもあるでしょう。しかし、部下にごまをするのではなく、実力を認められ早い段階から信頼される人間関係を築くことが重要です。
課長としての新たな挑戦は、部下からの信頼を得ることです。
部下からの信頼を得るためには、誠実なコミュニケーションと公平な評価が欠かせません。部下の意見に耳を傾け、彼らの成長をサポートする姿勢を示すことで、自然と信頼関係が築かれていきます。
信頼されるリーダーになるためには、日々の行動が鍵となります。部下に対して一貫した態度を取り、約束を守ることで、信頼は徐々に積み重なっていきます。
課長としての成功は、部下との強固な信頼関係にかかっていると言っても過言ではありません。
上司からのプレッシャー
課員のときとは異なり、課長になると上司からのプレッシャーは一層大きくなります。
とくに営業課長の場合、個人の営業成績だけでなく、チーム（課）の営業成績も任されることになります。これまでなら自分の努力で達成できた目標も、チーム全体の力を借りなければ達成できません。
定量目標を達成するためには、時には部下にプレッシャーをかける必要もあります。管理職としての自覚を持ち、会社側の人間としての立場を理解することが重要です。早い段階で管理職としての自覚を持つことで、任された課の運営に全力を注ぐことができるようになります。
課長としての成功は、チーム全体の成果を最大化することにかかっています。
部下の力を引き出し、共に目標を達成するためのリーダーシップを発揮することが求められます。会社側の人間としての自覚を持ち、チームの成功に貢献することで、真のマネージャーとして成長していくのです。
課長の忙しさの真実：管理職としての基本を学ぶ重要性
課長が忙しい理由は、管理職に必要なことを学んでいないからです。
営業パーソンとして優秀で実務能力が高かったことを評価されて昇進した課長ほど、プレイングマネージャーから真のマネージャーになるのが難しいのです。
マネージャー職に必要な能力は、リーダーシップとマネジメントです。
実務能力の高い営業パーソンが課長になると、リーダーシップを発揮して部下を引っ張り、瞬間的には成果を上げることができるかもしれません。しかし、管理職の基本を知らなければ、チームを効果的に動かすことはできません。チームとして動かせなければ成果は最大化されないのです。
課長としての成功は、管理職としての基本を学び、チーム全体の力を引き出すことにかかっています。
リーダーシップを発揮しつつ、マネジメントスキルを磨くことで、チームの成果を最大化し、真のマネージャーとして成長することができるのです。
実務能力の高さで昇進した営業課長の課題はマネジメント
実務能力の高い営業課長ほど、部下の能力を信頼しない傾向があります。
自分が対応した方がいい成果が出ると考えてしまうからです。しかし、営業課長としてチーム（課）を任されている以上、個人の力だけで勝負していてはチームとしての成果を上げることはできません。
営業課長になったら、個人プレーから脱却し、チームとして成果を出す習慣を身につける必要があります。
課員が成果を出しやすいようにサポートすることも、課長の重要な仕事です。自分の成果は課員の成果だと考え、チーム全体の成功を目指す器を目指しましょう。
課員の評価が上がれば、あなたの評価も自然と上がります。
課員と競うのではなく、彼らの成長を見守り、長所を活かした配置を意識することが大切です。
【まとめ】課長は忙しい現状から脱却して真のマネージャーを目指す
- 部下に仕事を任せていく
- 実力で部下の信頼を獲得する
- リーダーシップとマネジメントを学ぶ
課長が忙しい現状から脱却するためには、プレイングマネージャーから真のマネージャーに進化することが必要になります。
部下に仕事を任せる
自分で全てをこなすのではなく、部下に信頼して仕事を任せることで、チーム全体の力を引き出すことができます。
実力で部下の信頼を獲得する
部下に対して一貫した態度を取り、公平な評価を行うことで、自然と信頼関係が築かれます。信頼されるリーダーになることで、チーム全体の成果を最大化することができます。
リーダーシップとマネジメントを学ぶ
リーダーシップとマネジメントを学び、管理職としての基礎を知ることが重要です。チームを効果的に動かし、組織全体の成功に貢献することが大切です。