営業管理職は、やる気のあるビジネスパーソンにとって非常に魅力的な職種です。しかし、一方で、高いハードルと感じられることも少なくありません。とくに「管理職になりたくない」と考える人は、営業管理職の現実を見てしりごみすることが多いです。
では、本当に管理職になることは魅力がないのでしょうか?
今回は、営業管理職のイメージと現実のギャップを埋める「やりがい」について考えてみましょう。
営業管理職になりたくない5つ理由

- 責任の重さ
- 業務や残業の増加
- 適性がないと感じる
- プライベートとの両立の難しさ
- 労力に見合わない報酬
営業管理職になりたくない一番大きな理由は、給料と仕事量や求められる質が合わないことです。
理由1:責任の重さ
- チーム全体の成果に対する責任
- 部下の指導や問題解決の負担
営業管理職になりたくない理由の一つ目は、責任の重さです。
管理職になれば、プレイヤーとして自分の成果を上げるためだけに時間を使うことはできません。
チーム全体の状況を把握して、業績向上だけでなく、メンバーが抱えている問題解決や人材育成などの責任が重くのしかかります。
チーム全体の成果に対する責任
営業管理職になると、チーム全体の成果に対する責任が生まれます。
いくらあなたがプレイヤーとして優秀でも、成果を出すためにはメンバーのパフォーマンスを高める必要があります。
各メンバーが目標を達成できるようにサポートし、チーム全体の業績を向上させる責任は大きなプレッシャーになることがあります。
部下の指導や問題解決の負担
営業管理職になると、メンバーの指導や問題解決の役割も増えるため、営業パーソンのときにはなかったストレスが増えます。
メンバーの成長を見守り、適切なフィードバックを心がけ、必要なスキルを習得させるための時間と労力が求められるのです。
あなたがどれだけ優秀でも、ひとりでチーム全体の業績を上げ続けることはできません。
チームの規模が大きくなってくれば、メンバーを成長させることでチームとして成果を出せるようにすることが重要です。
理由2:業務や残業の増加
- プレイングマネージャーとしての業務負担
- 残業代が支払われないケース
営業管理職になりたくない理由の二つ目は、激務によって残業が当たり前になることです。
営業管理職は、チーム全体を動かす必要があるため、営業活動以外にも、ざまざまな仕事をこなす必要があります。
プレイヤーとしての仕事に加え、管理職としてやる仕事が増えるため、時間はいくらあっても足りません。
とくに、営業管理職1年目は、プレイングマネージャーとしてスタートすることが多く、仕事の忙しさになれるのが大変です。
プレイングマネージャーとしての業務負担
「営業の仕事をしながら管理職の業務もこなさねばならない」という新任の営業管理職が直面する大きな壁があります。
営業の仕事と管理職の仕事を両立させることは、時間とエネルギーを大量に消費します。
業績を上げるために、プレイヤーとしての経験から優秀な営業パーソンとして行動し続けることは、時間とエネルギーを消費し続けることになります。
中長期の目線を持ち、多少時間がかかっても任せる仕事は任せて、メンバーが成果を出すまで見守ることも大切です。
営業の仕事をしながら管理職の仕事をするプレイングマネージャーの期間がずっと続くわけではありません。
あなたが、メンバーを育て、チーム全体が機能するように仕組みを作ることで、プレイングマネージャーを卒業して、マネジメントに専念することができるようになります。
管理職一年目の激務のときに、チーム全体の業績を向上させるためには自分一人の行動では限界があることを知り、メンバーを育てる意識をもつことが大切です。
残業代が支払われないケース
「管理職になると残業代や休日出勤手当が出ない」「役職手当が増え、等級は上がるけど、残業代がないため給料が下がる」といった事実もあります。
営業管理職になると、メンバーが抱えている問題解決に動くこともあります。営業パーソン時代に残業をせずに成果を出していた人でも、営業管理職になるとメンバーをサポートするために残業をすることが出てくるのです。
仕事量は増え、労働時間は長くなり、給料は労力ほど増えず、あなたの時間単価が下がると感じることもあるでしょう。
ただ、役職が上がれば仕事量が増えるのは当然のことで、残業が増えるのは管理職としての自分の効率の問題であり、管理職のスキルを上げることでバランスが取れるようになります。
私の場合は、営業パーソンのころから、「残業嫌い」だったため、残業代ほしさに残業した経験がありませんでした。
そのため、管理職になった後に「時間当たりの単価(給料)が下がった」と感じることはありませんでしたが、メンバーの仕事が終わるまで待つことも増え、営業パーソンのころより残業が多くなったことを覚えています。
理由3:適性がないと感じる
- リーダーシップの資質に対する不安
- 自己認識としてのプレイヤータイプ
営業管理職になりたくない理由の三つ目は、プレイヤーに専念したいからです。
トップセールスパーソンになるぐらい営業に特化している人は、組織運営や人材育成に興味が持てず、管理職の適性がないと感じることがあります。
リーダーシップの資質に対する不安
リーダーシップの資質に対する不安があると、管理職の仕事に適性がないと感じることがあります。
営業管理職には、メンバーを効果的にリードし、モチベーションを高め、チームの目標を達成するためのスキルが求められます。
自己認識としてのプレイヤータイプ
自己認識として自分がプレイヤータイプである場合、管理職には向いていないと感じます。
プレイヤーとして個々の業績を追求する方が得意であり、チーム全体をリードする役割には不安を感じるのです。
営業パーソンとして成果を出していることで、、管理職に昇進したタイプの人です。組織運営や人材育成よりも営業で成果を出すことに特化しているため、昇進しても、自ら役職を降りる人もいます。
理由4:プライベートとの両立の難しさ
- 長時間労働やストレスの増加
- ワークライフバランスの難しさ
営業管理職になりたくない理由の四つ目は、仕事優先になることです。
長時間労働やストレスの増加
営業管理職になると、長時間労働やストレスが増加し、プライベートとの両立が難しくなることがあります。業務の多さや責任の増大により、仕事に多くの時間を費やすことが必要となります。
チームとして機能してくると、プレイングマネージャーのときのような激務にならないよう調整をすることはできますが、責任はどんどん重くなるので、ストレス耐性があることが大切になります。
ワークライフバランスの難しさ
ワークライフバランスの難しさが、管理職になることをためらわせる要因となります。
家庭やプライベートな時間を大切にしたい人にとって、管理職の役割はバランスを取ることが難しいと感じます。
また、子育てや介護など、プライベートが忙しい時期に管理職に昇進することが多いのも、管理職がワークライフバランスを崩しやすい理由です。
家族の幸せのために頑張って日々の激務をこなしているはずが、家族からは「家庭より仕事優先の仕事人間」として見られることがあることにも注意が必要です。
理由5:労力に見合わない報酬
- 給与の増加に対する仕事量の増加
- コストパフォーマンスの悪さ
営業管理職になりたくない理由の五つ目は、仕事の労力に見合わない報酬金額です。
給与の増加に対する仕事量の増加
営業管理職になることで増える給料以上に仕事量が増えます。
管理職になって、役職手当や昇給があっても、給料アップ以上に仕事量が多く、責任が重いと感じると管理職になりたくないと考えるでしょう。
コストパフォーマンスの悪さ
営業管理職になることで、コストパフォーマンスの悪さを感じることがあります。給与と仕事量、求められる質が合わないことは、大きな不満を引き起こします。
管理職前の役職で、プレイヤーとして営業活動に専念し、残業代や休日出勤手当などをもらっている営業パーソンより営業管理職の方が給与が安いこともありえるので、営業パーソンとしての仕事が楽しい場合に、わざわざ管理職にならずに好きな営業活動を続けたいと考える人もいます。
営業管理職の魅力とやりがい

- 成長のチャンスが増える
- やりがいを感じられる
- 裁量権が増えて意思決定に関われる
営業管理職の魅力とやりがいについて一緒に考えてみましょう。
多くの人が管理職になりたくない時代だからと、営業管理職の道を目指さないのが正しいとは限りません。営業管理職を目指すか目指さないかを自分で決めることが大切です。
成長のチャンスが増える
- リーダーシップやマネジメントスキルの向上
- 経営層との距離が近くなる
営業管理職になると成長するチャンスが増えるのが魅力です。
管理職になると、プレイヤーとして優秀なだけでは通用しません。リーダーシップやマネジメントについて学び、実践する力が必要です。
また、管理職になると、経営層との距離が近づきます。中長期の経営方針を知ることで、自分に足りていないスキルに気づくこともあります。
やりがいを感じられる
- メンバーの成長やチームの成果
- 大きな達成感と満足感
管理職としてリーダーシップを発揮し、チームを率いることは非常にやりがいのある経験です。
管理職は、意思決定や問題解決のスキルを磨く機会が多く、自身の成長を実感できる場面が多いです。
たとえば、重要なプロジェクトの進行管理や、クライアントとの交渉において、冷静かつ迅速な判断が求められる場面があります。
リーダーとしての役割を果たすことで、チームの士気を高め、一体感を築くことができます。また、リーダーシップを通じて、自分自身の成長を感じることができるのも魅力の一つです。
裁量権が増えて意思決定に関われる
- 組織の方向性を決める立場
- 働きやすい環境の整備
営業管理職は、長期的な視点でビジネスを考える力が求められます。
組織の方向性を決めて、メンバーの行動や成果をジャッジすることが大切です。組織の方向性を決めないと、メンバーはゴールがわからないまま自分なりに仕事をしてしまいます。
営業管理職は、チームが進む方向性をはっきり示すことが大切です。
また、メンバーが働きやすい職場環境を作ることも大切です。メンバーが働きやすい職場を作ることは、チーム内のコミュニケーションが活発化し、活気のある職場づくりにもつながります。
【まとめ】管理職で会社のモデルケースを目指す

- 自己成長とチームの成功を楽しむ
- 次のキャリアステップに繋げる
営業管理職は、やる気のあるビジネスパーソンにとって目指したいポジションです。しかし、ポジションが上がる以上にハードルが高いと感じることがあります。
とくに「管理職になりたくない」と考える人は、営業管理職の現実を見てしりごみしてしまいます。
確かに、激務や残業の増加、責任の重さなど、営業管理職には多くのプレッシャーがかかります。しかし、管理職の課題を乗り越えることで得られるやりがいや成長の機会は大きいです。
営業管理職には、リーダーシップの発揮、戦略的な視点を持つ機会、キャリアのステップアップ、そして達成感と満足感といった多くのやりがいがあります。
次のキャリアの道を開く一歩として、営業管理職に挑戦してみることを考えてみてはいかがでしょうか。

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