社会人のホウ・レン・ソウって?
多くのビジネスパーソンは、ホウ・レン・ソウが「報告・連絡・相談」のことだと知っています。それなのに、会社でまわりを見渡すと、ホウ・レン・ソウができている人とできていない人がいるのはなぜなのでしょうか。
社会人になると、ホウ・レン・ソウの習慣をつけることが大切です。今回は、ホウ・レン・ソウについて学んでみましょう。
- ホウ・レン・ソウの流れを知る
- ホウ・レン・ソウをうまく実践する3つのコツを知る
- ホウ・レン・ソウをするタイミングを覚える
ホウ・レン・ソウは社会人が成果を上げるための社内コミュニケーション

ホウ・レン・ソウとは社会人の日常業務のひとつで、報告・連絡・相談の略。報告・連絡・相談は、部下から上司への伝達方法になります。
ホウ・レン・ソウは社会人のコミュニケーションの基本です。報告・連絡・相談を通じて、会話のキャッチボールができることを目指しましょう。
会話のキャッチボールができるようになると、業務が円滑に進められるようになります。
ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)の流れ

- 上司から指示・命令が出される
- 部下は活動について報告・連絡・相談をする
- 部下の仕事の結果に対し上司がフィードバックをする
ホウ・レン・ソウは社会人の基本というけれど、上司はえらそうに報告を聞いているだけではいけません。
あなたの上司が、ただ部下に報告をさせて満足しているなら、上司はホウ・レン・ソウが当たり前になる組織作りができていません。
ホウ・レン・ソウを部下の目線からみてみましょう。
ホウ・レン・ソウというと、一方的に部下が上司に仕事の報告・連絡・相談をすることと思われがちですが、実際は上司から始まるコミュニケーションです。
ホウ・レン・ソウは、上司が仕事に対して指示や命令を出すことから情報伝達は始まります。上司の期待値に近づけるために中間連絡を入れ、成果を上げるための相談をするのです。
ホウ・レン・ソウは、ただの活動結果報告ではないので注意しておきましょう。
上司から指示・命令が出される

ホウ・レン・ソウの最初のステップは、上司からの指示・命令をうけることです。
上司から出された新しいミッションの指示内容をきちんと聞くことを意識しましょう。上司は、「あなたに依頼した理由」と「ミッションのゴール地点」を明確にした上で、仕事の指示や命令をわかりやすく伝えてくれるはずです。
上司は、あなたがミッションをクリアできるように「どのように仕事を進めてほしいか」そして「何を期待しているのか」をはっきりと伝えてくれるので聞き逃さないようにしましょう。
上司からの指示をうけた段階で重要なことは、理解できない部分は理解できるまで質問をすることです。あとで聞こうと考えないことが大切です。依頼内容をきちんと把握することがミッションを達成する近道だと覚えておきましょう。
あなたは、ミッションを理解し、上司の期待を感じながら仕事に取り組むことになります。
部下は活動について報告・連絡・相談をする

上司から依頼された仕事には、ホウ・レン・ソウの義務があります。
上司から質問をされる前に、報告・連絡・相談ができるようにしておきましょう。任された仕事を完了してから報告するようでは、社会人のホウ・レン・ソウはとしては不十分です。
難易度の高い仕事であればあるほど、中間で仕事の軌道修正することがあります。中間報告をしていないと上司は適切な判断ができないため、ポイントポイントで報告をすることを忘れないようにしましょう。
上司が好きか嫌いかではなく、ホウ・レン・ソウは組織で働く社会人の義務だと理解することが大事です。あなたがホウ・レン・ソウをするのは上司のためではありません。あなたは、成果を上げるために上司にホウ・レン・ソウするのです。
あなたは成果を上げるために、上司に相談するようになります。あなたは成果を上げるために、上司に仕事の進捗を報告するようになります。そして、あなたは、成果を上げた喜びをチャンスを与えてくれた上司とわかちあうために報告をするようになるのです。
上司に応援されるためにも、あなたの行動を報告する習慣をつけるようにしましょう。あなたが成功することを望んでいる上司とタッグを組めば、あなたの成功は約束されたようなものです。
部下の仕事の結果に対し上司がフィードバックをする

あなたは、自分がしたホウ・レン・ソウに対し、上司からきちんとフィードバックをもらうことが大切です。
ホウ・レン・ソウが機能していない会社の上司は、部下から報告を聞くだけでフォローやフィードバックをしません。部下の仕事に興味がないのです。
部下が一生懸命仕事をした結果が成果です。仕事がうまくいってもいかなくても、上司はホウ・レン・ソウをした部下にフィードバックをすることが重要です。
多くの上司は、成果報告を聞くだけです。途中で相談しても、「的確なアドバイスがもらえない」となれば、部下は上司にホウ・レン・ソウしなくなるのは自然なことです。
部下のホウ・レン・ソウがない組織は、個人商店と同じです。
個人商店では、会社の分業システムがうまく機能せず個人の力量を超える成果を上げ続けるのは難しいでしょう。組織は個の成果ではなく、分業システムの中で組織として大きな成果を上げ続けることを目指しましょう。
ホウ・レン・ソウを成功させる3つのポイント

- タイミングを間違えないこと
- 内容を整理してから話すこと
- 自分なりのアイデアや意見を用意しておくこと
ホウ・レン・ソウは社会人になったら必ずできるようになっておいてください。
ホウ・レン・ソウがうまくできるようになるには、「タイミング」「段取り」「提案」の3つのポイントをおさえることが大切です。
今の時代、ホウ・レン・ソウはメールで行うことも増えていますが、緊急性が高いものや重要度が高いものは相手に直接伝えるようにしましょう。
タイミングを間違えないこと

ホウ・レン・ソウはタイミングを間違えないことが大切です。
上司があなたに仕事の進捗を聞いてから報告をしているようでは、あなたのホウ・レン・ソウは社会人としては失格です。
上司の指示通りに仕事をしていても、仕事を実施後すぐに報告をしないと「仕事ができない」と判断されることになるので注意しましょう。
とくに、完了までの期間が長いミッションの場合は中間報告をすることを意識しておきましょう。
内容を整理してから話すこと

上司にホウ・レン・ソウする前に、あらかじめ内容を整理しておくことが大切です。
話すときは、小説のようなストーリーを描くような時系列の報告ではなく、結論から話すことを意識しましょう。
結論を伝えてみて相手が興味を示せば経過や理由を話すようにする習慣をつけることで、相手の時間を奪わない優秀な社員になれるはずです。
報告をする前には内容を6W2H「When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、Whom(誰に)、What(なにを)、Why(なぜ)、 How(どうやって)、 How much(いくらで)」の型にはめて情報を整理しておくのがおすすめです。
自分なりのアイデアや意見を用意しておくこと

あなたは上司に相談をするときに、「どうしたらいいですか?」と聞いていないでしょうか。
上司に相談するときは、あなたなりのアイデアや意見や答えを用意してから相談することが大切です。
あなたが報告したときに上司から「それで?」と言われるようでは、相談内容に自分の意見が入っていないということです。
相談するときには、相談にかかる時間の目安を伝えるようにすると、上司も時間を作りやすくなります。声をかけるときには、用件と相談にかかる時間をの目安を伝えるようにするのがおすすめです。
【まとめ】社会人のホウ・レン・ソウは伝達しあうことで成立する

ホウ・レン・ソウは社会人のコミュニケーションの基本です。
部下から上司に一方的に、「報告・連絡・相談」をするのではなく、上司からの指示や命令、あるいはフィードバックをもらうことで、情報を伝達しあう関係を作ることでコミュニケーションがとれるようになります。
うまくホウ・レン・ソウをする3つのコツ
- 仕事の指示をするときは何を期待しているか伝える
- ホウ・レン・ソウがあれば自分の仕事の手を止めて真剣に聞くこと
- 仕事が完了したらフィードバックとねぎらいの言葉をかけること
ホウ・レン・ソウは、信頼関係があってこそ当たり前に行われるようになるものです。
報告をしない部下が悪いと考えている上司は、上司の器ではありません。ホウ・レン・ソウのキーマンは上司です。
組織のホウ・レン・ソウが機能しているかは上司にかかっています。部下がホウ・レン・ソウしやすい状況を作ることが上司の仕事なのです。
ホウ・レン・ソウをすることで成果が上がります。
あなたは、今日から積極的に上司にホウ・レン・ソウしてみましょう。
上司は、「部下がホウ・レン・ソウしやすい」あるいは「ホウ・レン・ソウした方が得」だと感じるような組織作りをしてくれるようになります。
上司にホウ・レン・ソウをするタイミングは変化があったとき
- 仕事が一段落した
- 状況が変化した
- 問題が起こりそう
- 問題が起きた
- 予定より長引きそう
ホウ・レン・ソウのタイミングは変化があるときです。
状況の変化をリアルタイムで報告すること、あるいは、問題を未然に防ぐことでミッションを達成しやすくなります。
ミッションに取り組んでいるときは、アンテナを高くし、仕事のちょっとした変化にも気づけるようにしておきましょう。