近年のテレワーク普及により、営業マンの働き方やアプローチが大きく変わっています。
従来の訪問営業だけではお客様のニーズを満たせない状況が増え、デジタルツールやオンラインコミュニケーションを駆使した新たな営業スタイルが求められています。
法人営業の現場では、お客様の期待するスピードや柔軟性に対応するために、新しいスキルと視点を持つ営業マンを目指しましょう。
今回は、テレワーク時代に必要なスキルや効果的な営業スタイルについて考えていきましょう。
テレワークが営業マンに与える5つの影響

- 訪問営業の難易度が上がる
- オンラインコミュニケーションスキルが必須
- お客様のニーズが変化
- 営業プロセスの効率化が必須条件
- 営業マンの役割が再定義される
テレワークが営業マンに与える影響は、営業スタイルやお客様との関係構築方法に大きな変化をもたらしています。
コロナ明け以降にはテレワークをやめて従来型の営業スタイルに戻した企業も多いものの、テレワークを新しい働き方として取り入れている企業も増えています。
テレワークは、営業マンに従来以上の柔軟性と適応力を求める働き方です。
お客様に訪問しないと話を進められない従来型の営業スタイルだけではいけませんが、逆に、なんでもデジタルツールを駆使するだけでいいわけでもありません。
求められているのは、従来型の対面営業とデジタルツールを駆使するハイブリッド型の営業スタイルです。
訪問営業の難易度が上がる
テレワークの普及は、お客様のオフィス出社率が減少し、対面でのアプローチが難しくなっています。
営業マンは、お客様がオフィスに出社している日に商談をしようと考えますが、お客様がオフィスに出社する日は、オフィスでしかできない仕事をしています。
「とりあえず訪問して話を聞いてもらう」という従来型営業は通用しにくくなり、営業マンには事前準備や提案内容の精度が求められています。
営業マンが、準備不足や見当違いの提案をすることは、お客様の貴重な時間を奪うことになります。
お客様が困っていることを解決する提案ができなければ、商談をする機会を失う可能性があると危機感をもつことが重要です。
オンラインコミュニケーションスキルが必須
お客様とは対面で商談するだけではなく、オンライン会議やメールを通じてコミュニケーションをとるスキルが求められています。
たとえば、複数人で会議をしているときに、話さないときもマイクをオンにしているようでは、オンラインでのコミュニケーションは低いと判断されます。
オンラインでお客様に信頼されるためには、デジタルツールを使いこなし、効果的に情報を伝えるプレゼンテーション力を磨くことが重要です。
お客様のニーズが変化
今までは、営業マンが提案する商品の話を聞くことで、自分たちの仕事のヒントを得ることがありました。でも、デジタル化が進むことで、お客様は自分で調べることも当たり前になっています。
営業マンには、カタログに載っているような商品スペックではなく、もっと深い部分の情報を求めています。
お客様が抱えている課題を解決する商品を提案せず、通り一辺倒の提案しかできない営業マンの話を聞く時間を嫌がります。
多忙なお客様は「話を聞く時間」より「具体的な解決策」を重視しているのです。営業マンには、お客様の抱えている課題に対して、迅速で的確な提案を行う能力が求められています。
営業プロセスの効率化が必須条件
テレワークは、通勤時間などの移動時間を削減することができます。
商談は、対面だけにこだわらず、オンラインを活用すれば従来より商談回数を増やすことができます。なによりお客様は、オンラインツールをうまく活用して迅速な対応をしてくれる営業マンを求めています。
たとえば、お客様が商品の価格や納期を知りたいとき、営業マンが見積書をもって訪問してくるのを待つのではなく、まずは見積書をメールなどで提出してから、お客様の疑問点を解消するために訪問することが求められます。
ちょっと聞きたいことがあるだけなのに、営業マンが電話で内容を返事せず、いちいち訪問してくるのを待たなければいけなければ、次回以降はすぐに対応してくれる企業や、オンラインで購入できるサービスの利用を検討されるので注意が必要です。
営業マンの役割が再定義される
テレワーク時代は、単なる「御用聞き型」ではなく、課題解決を重視する「コンサルティング型営業」への転換が求められています。
お客様があなたの話を聞くのではなく、あなたがお客様の抱えている課題や悩みを聞き、課題を解決できる価値を提供することが大切です。
お客様の抱えている課題や悩みを聞くためには、商品を売り込むことに必死になるだけではなく、お客様に興味をもつことを意識しましょう。
法人営業は、テレワークの普及により最も大きな影響を受ける分野の一つです。
働き方改革が推進され、多くの企業でテレワークが当たり前になりつつあります。
この流れは避けられず、たとえ自社がテレワークを導入していなくても、取引先が新しい働き方を取り入れれば、営業マンのアプローチも見直す必要が出てきます。
かつては、訪問すれば気軽に話を聞いてもらえることが一般的でした。しかし、テレワークが進む現在では、状況が一変しています。
購買担当者の多くは、限られた出社時間の中で効率的に仕事を進める必要があります。
以前のように「とりあえず顔を出して話す」スタイルでは、時間を割いてもらうことが難しくなりました。
営業マンに求められる役割も大きく変わっています。単なる御用聞きではなく、お客様にとって真に価値ある存在であることが、これまで以上に重要になっているのです。
テレワーク時代の新しい営業スタイル:ハイブリッド型営業

- 訪問とオンラインの使いわけ
- デジタルツールの活用
テレワーク時代の新しい営業スタイルは、ハイブリッド型営業です。
従来の対面型の営業だけでは通用しなくなっていく中で、極端にオンラインだけで片づけてしまうのではなく、オンラインをうまく活用しながらも、従来の対面型の強みも活かす必要があります。
訪問とオンラインの使いわけ
重要な商談は対面で行い、フォローアップはオンラインで行うなど、状況に応じた柔軟な対応が重要です。
たとえば、クレームが発生したとき、すぐにお客様のところに訪問して謝罪と対策を打つ必要があります。
怒られるのが嫌からと、メールだけで対応するようなオンライン型の営業を都合よく解釈しているようでは、顧客離れが進むので注意が必要です。
あるいは、お客様がオンラインでの商談を希望しているときに、無理に対面することでしか商品の良さが伝えられないようでは、テレワークの時代には通用しなくなるので注意しましょう。
デジタルツールの活用
デジタルツールは、うまく活用することで効率を上げることができます。
たとえば、会議や商談をすべて対面する必要はなく、Teamsなどのオンライン会議ツールを使うことで、従業員やお客様の時間を無駄に奪うことなく効率よく仕事を進めることができます。
データ分析ツールを使うことにも慣れていくことは大切です。
たとえば、自社ウェブサイトの、アナリティクスでアクティブユーザーを分析したり、サーチコンソールで検索パフォーマンスを分析したり、あるいは、ヒートマップツールを使ってお客様の行動を見える化するなど、改善点を見つけてみましょう。
テレワーク時代の営業マンに求められる時間を提供する営業スタイル

テレワークが普及していくと、働き方は大きく変化します。
多くのお客様が、出社するときは、オフィスでしかできない業務に従事することが当たり前になります。オフィスにいる時間の重要性がこれまで以上に高まるのです。
従来型の「御用聞き営業」や一方的に商品を押し付けるような提案営業では、むしろお客様の貴重な時間を奪う存在として敬遠されることになるので注意が必要です。
テレワーク時代に営業マンが果たすべき役割とは何でしょうか?
ひとつの答えは、お客様の業務を効率化し時間を生み出すサポート役になることです。お客様にとって「時間を作ってくれる営業マン」は、頼れるパートナーとして選ばれ続ける存在となります。
購買担当者の視点に立つ「購買代行型営業マン」へ
- 購買担当者の業務の優先順位を共に考える
- 商品に関する幅広い知識を提供する
- プロアクティブな対応で信頼を築く
とくに、法人営業やルートセールスの分野では、購買担当者の視点に立つことがますます重要になっています。
購買担当者の多くは、コスト削減や品質確保といった目標を抱えつつ、業務過多に直面しています。
営業マンが提供すべきなのは、製品やサービスだけではありません。むしろ、購買プロセスそのものを効率化する手助けをすることで信頼を築くことが大切です。
購買担当者の業務の優先順位を共に考える
購買担当者の業務を整理し、優先順位を共に考える視点を持ちましょう。
商品を提案するときは、詳細なスペック情報だけでなく、従来商品との比較資料を用意することで、お客様が短時間で意思決定できるようにサポートすることが大切です。
たとえば、提案する商品を使う以外でお客様の課題を解決できるアイデアを提供することで、お客様が抱えている課題に寄りそうなど、あなたが購買担当者なら何を求めるのかを考えていましょう。
商品に関する幅広い知識を提供
お客様が競合品だけでなく、別の選択肢を考える手間を省く方法を考えましょう。
たとえば、お客様が抱えている課題に、複数の選択肢がある場合、複数の提案を用意し、それぞれの見積書を用意するだけでなく、商品情報を比較する手間が省ける提案資料を作ることが大切です。
もちろん、あなたは比較資料を出すだけでなく、お客様の声を聞きながら課題を解決する最適な提案を提示するところまでサポートすることが大切です。
プロアクティブな対応で信頼を築く
お客様から相談された課題を解決する商品を用意するだけではなく、お客様が気づいていない課題を予測して先回りした提案をすることを意識します。
業界情報から将来起こりうる出来事を想定してみましょう。
たとえば、人手不足の課題を抱えているエリアでは、今納入している製品に関連する「人手不足を解決するための省人化を実現する提案」を付け加えることでお客様の信頼を獲得します。
「この人に任せておけば安心」と思われる存在を目指すことが大切です。
「時間を生み出す」ことで信頼を得る
お客様が求めているのは、「あなたがいることで自分の仕事がスムーズに進む」という安心感です。
お客様の信頼を勝ち取るためには、相手の状況を深く理解し、価値のある解決策を提示することが不可欠です。
お客様にあなたが商品を提案することで、時間を節約し、業務効率を上げるサポートをすることで、営業マンとしての価値を証明できれば、お客様からの信頼は自然と深まります。
テレワーク時代では、「購買代行型」の視点を持つ営業マンが、従来の営業マンとの差別化を図り、長期的な信頼を築くことが大切です。
テレワーク時代にお客様の時間を生み出す営業マンになる5ステップ

- 幅広い知識を持つ
- お客様の声に耳を傾ける
- アイデアをつなぐ力を持つ
- 得意分野を極める
- 人脈を広げる
テレワーク時代に求められる営業スタイルは、単に商品を売るだけではありません。お客様の時間を生み出し、効率的に業務をサポートする存在であることが求められます。
「あなたから製品を買いたい」と思われる営業マンになるためには、購買担当者と同じ視点で問題を解決し、業務をサポートすることを意識します。
お客様の時間を生み出す5つのステップを確認していきましょう。
幅広い知識を持つ
お客様の課題を的確に解決するためには、単に取り扱っている製品やサービスの知識だけでなく、周辺分野についての深い理解も求められます。
製品の特性や市場動向、地域性、業界全体のトレンドなどを把握し、提案に説得力を持たせることが大切です。
たとえば、競合他社の動きや新技術の導入事例を踏まえたアドバイスを提供することで、より価値のある情報をお客様に届けることができます。
お客様の声に耳を傾ける
購買担当者は、限られた時間を有効に使わなければなりません。
営業マンが求められるのは、「自分の課題をしっかり理解してくれるパートナー」としての役割です。
お客様のニーズを的確に把握し、真に必要とされる解決策を提供するためには、常に耳を傾ける姿勢が大切です。
お客様は忙しい中であなたのために時間を作って商談してくれています。
あなたから積極的にコミュニケーションを取り、お客様の意図や潜在的な問題を引き出すことで、価値のある提案ができるようになります。
アイデアをつなぐ力を持つ
営業マンとして信頼を獲得するには、「点と点を結ぶ」能力が必要です。
さまざまな商品やサービスを組み合わせて、効果的に活用できる提案をすることが、購買担当者の業務効率化やコスト削減に直結します。
たとえば、ある商品の納期短縮と、別のサービスのコスト削減を同時に実現する提案を行うことができれば、お客様にとっての真の価値を提供できます。
あるいは、異業種からのノウハウを商品提案に活かすことも大切です。業界の常識は、他の業界では非常識なことがあります。
あなたの業界に足らないノウハウを異業種から持ち込んで組み合わせることで、お客様の課題を解決できる提案を考えましょう。
単独の製品やサービスだけでなく、うまく組み合わせてどう活用するかを考えた提案が求められています。
得意分野を極める
購買代行型営業マンとして強い信頼を得るためには、特定の分野において「専門家」としての強みを持つことが非常に効果的です。
あなたが、お客様から「この件ならあの営業マンに任せよう」と思われる存在になれば、信頼関係が深まり、リピートビジネスにもつながります。
たとえば、特定の業界に特化した知識や、特定の製品カテゴリーに精通していることが、お客様にとっては大きな安心材料となります。その分野でのスペシャリストとしてのポジションを確立しましょう。
人脈を広げる
営業マンとしての影響力を高めるためには、社内外の人脈作りは重要です。
お客様の課題に応じて、適切な専門家や部門を紹介できるネットワークを持つ営業マンは、重宝されます。
たとえば、製品の導入後に技術サポートが必要になった際に、社内のエンジニアと連携してスムーズに問題解決ができると、お客様の信頼を一層深めることができます。
社内外の人脈を広げ、さまざまな分野の専門家とつながることで、お客様の多様なニーズに対応できる営業マンを目指しましょう。
【まとめ】テレワークは営業マンにとってチャンス!

テレワーク時代において、営業マンは単なる「商品を売る存在」ではなく、お客様の業務を効率化し、時間を生み出すサポート役になることが大切です。
お客様の信頼を獲得するためには、課題解決型の提案力や効率的な営業プロセスの構築が必要です。
テレワーク時代の営業マンは、柔軟性と適応力を持ちながら、お客様の時間を大切にする営業スタイルを確立する必要があります。
ハイブリッド型営業を取り入れ、「時間を生み出す営業マン」として信頼を築くことで、長期的な成果を出し続けることが可能です。
新しい働き方に対応し、変化をチャンスに変える行動を始めましょう。

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