あなたはメールやチャットで仕事のやり取りをしていますか?
もしそうなら、相手との関係性はどうでしょうか。メールやチャットでは相手の感情や態度が伝わりにくいため、コミュニケーションがうまくいかないこともあります。
対面で話すときは、表情や声のトーンなどで相手の様子がわかりますが、メールやチャットではどうすればいいのでしょうか。
今回は、コミュニケーションの基本から失敗しない方法まで、わかりやすく解説します。コミュニケーションスキルを磨きましょう。
- 言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションの違いを知る
- コミュニケーション5つの失敗例を学ぶ
- コミュニケーションで意識することを知る
コミュニケーションの意味と2つの種類

- 言語コミュニケーション
- 非言語コミュニケーション
コミュニケーションの意味は、情報を伝達しあうことです。
伝達方法は2種類あり、気持ちや考え方を言葉で伝達しあう言語コミュニケーションと、表情や身振りなどの動作で伝達しあう非言語コミュニケーションがあります。
人間どうしが行う言語コミュニケーション、人間以外の動物どうしでも行われている非言語コミュニケーションの2種類を使いこなすことがコミュニケーション力を高める近道です。とくに、表情や態度で伝える非言語コミュニケーションをうまく使うことを意識しましょう。
言葉をつかわない非言語コミュニケーションが悪いわけではありません。
非言語コミュニケーションは相手によって解釈が違うので、うまくコミュニケーションがとれていないときは言葉で伝える言語コミュニケーションを使うのがおすすめです。
言葉で伝えるのが人間のコミュニケーション、動作で伝えるのが人間以外の動物のコミュニケーションという意味ではないので注意しましょう。
言語コミュニケーション

言語コミュニケーションとは、「話す・聞く」などの音声や「書く・読む」などの文章で事実を伝えるコミュニケーション方法です。
言語コミュニケーションは事実を伝えるのが目的です。話すときには、一方的に感情をぶつけるだけでは情報を伝達しあうコミュニケーションにはならないので注意しましょう。
言語コミュニケーションは、相手が理解しやすいようにわかりやすい言葉を選ぶことと言葉足らずにならないようにすることが大切です。
非言語コミュニケーション

非言語コミュニケーションとは、表情や態度、身振り手振りなどで感情を伝えるコミュニケーション方法です。
非言語コミュニケーションだけでは、相手に誤解を与えることもあるので注意が必要です。表情や態度は人によって受け取り方がかわるからです。
話を聞くときに腕組みをする、集中しすぎて相づちがまったくないなど、誤解を与える動作をしないように注意しましょう。
コミュニケーションの失敗例5選
- イライラを態度に出す
- 苦手な相手との対話を避ける
- 相手の話に耳を傾けず早とちりする
- 話題が社内のゴシップばかり
- 自分が理解されていると思い込んでいる
コミュニケーションの意味を理解していないと、相手との溝は深まるばかりです。
相手との信頼関係を作るためには、質の高いコミュニケーションをとることが求められます。
質の高いコミュニケーションとは、一方通行で情報を伝達するのではなく、聞いている側も理解や納得などの反応を返すことで、双方の情報を伝達しあう関係になっている状態です。
コミュニケーション失敗例1:イライラを態度に出す

コミュニケーションの失敗例1は、業務のベテラン社員に多い「仕事を渡すな」態度の典型的な非言語コミュニケーションの失敗例です。
仕事を頼もうとするといつもイライラした態度で忙しいことをアピールしているのが特徴です。仕事を頼んでも、目を合わせないで返事をする、頼まれた仕事の書類をデスクの隅に投げるなど、あからさまに仕事を請けたことに不快感を示す非言語コミュニケーションを使っていいる人がいます。
後輩社員は、ベテラン社員のイライラした態度に委縮して仕事を頼みにくくなります。仕事を頼みにくくなった後輩は、仕事を自分たちで処理するようになるでしょう。
ベテラン社員は、自分にめんどくさい仕事がまわってこないように防衛していることがあります。やりたくない仕事がまわってきそうなときに、イライラした態度で忙しいことを演出しているのです。
イライラを態度に出すベテラン社員を怖いと思う人が多いようです。
でも、実際は、イライラを態度に出す人は威嚇しているだけで自信がなく弱い人です。仕事ができる人は、仕事を請ける相手が納得できるよう仕事を依頼します。
いつもイライラを態度に出して仕事を渡しにくい先輩社員がいるなら、自信がない人だと思っておいて間違いありません。少しプレッシャーをかければ案外簡単に崩れます。
コミュニケーション失敗例2:苦手な相手との対話を避ける

コミュニケーションの失敗例2は、正論社員の失敗例です。
普段は正論を言うのに、苦手な相手に対しては対話をするのを避けて自分で決めたルールすら破ります。中堅からベテランの社員に多いタイプです。
まじめな性格で、本人は風紀委員のように正論をかざし一生懸命仕事をしています。組織をよくしようと奮闘していますが、ガチガチにルールを決めるわりには自分に都合のいい正論になっていることがあります。
たとえば、いつもイライラを態度に出すベテラン社員が業務のルールを破っても注意しないのに、後輩や新人が少しルールから外れたら目くじらを立てて怒るなど、言いやすい人にだけ正論をぶつけるような流れは問題です。
正論社員が考えるルールは、息がつまるほどガチガチです。それなのに、ベテラン社員がルールを無視したときに、注意しない正論社員に反発は大きくなります。
正論社員に、立場の弱い人にだけ厳しくしていることを指摘すると、「イライラしているベテラン社員には怖くて言えない」「自分はえらくないので注意する立場ではない」などと言い訳をして自分を正当化する自信のない人が多いのも特徴です。
苦手な人との対話を避けて、さざ波のようなコミュニケーションを好む理由は自分がかわいいからです。仕事が正しいかではなく、苦手な人と争わないために問題から目を背けているのです。
正論を語るときは、まるで会社をよくするためと言っているが、実際は自分に都合のいい空間を作りたいのが本音です。イライラを態度に出す社員とタイプは違っても同じことをしているのです。
コミュニケーション失敗例3:相手の話に耳を傾けず早とちりする

コミュニケーションの失敗例3は、いつもソワソワして地に足がついていない話好きの人に多いコミュニケーションの失敗例です。
仕事の依頼内容のさわりだけ聞いて、理解した感じで仕事にすぐに取りかかろうとする早とちり社員です。自分が賢くないことを悟られないようにするために、依頼をすぐに理解できたことを演出しています。
もともと仕事ができるタイプではないけど、後輩社員が入ってきて先輩のプライドで早とちりする仕事運びになるパターンもあります。早とちり社員は、一生懸命働くまじめな社員が多いものの、見栄とプライドでミスをすることがあるので注意が必要です。
しっかりと人の話に耳を傾ける習慣がつかない間は、大きな失敗をする可能性があるため重要な仕事を任せることができない社員とも言えるでしょう。
早とちり社員は、自信がないからいつも焦っています。
意識をしているかは別にして、仕事の質に自信がないから量でカバーしようとするのが特徴です。しっかりと人の話に耳を傾ける、仕事の依頼内容をきちんと理解することができない間は、大きな仕事をこなすことができません。
早とちり社員は、なまじ自分は仕事をしている自覚があるので、後輩などにいい仕事が回らないように、自分のキャパシティに関係なく仕事を請けまくって場を乱すこともあるので注意しましょう。
コミュニケーション失敗例4:話題が社内のゴシップばかり

コミュニケーションの失敗例4は、仕事の合間の話題が、社内の噂話や悪口ばかりの失敗例です。
噂話や悪口は欠席裁判になります。その場にいない人の悪口で盛り上がる程度の質の低いコミュニケーションをとるのが特徴です。
基本的に、共通の敵を作ることでコミュニケーションを図るため、先輩社員や上司の場合の悪口をいうことが多いですが、本人を前にしたらご機嫌取りをすることも多いので信用できません。悪口社員は、相手に面と向かって言えないから陰口を叩いていると考えましょう。
噂話や悪口は、その場にいただけで一緒に陰口を言っていたと思われることもあるので、噂話や悪口の話題にはできるだけ入らないようにするのが得策です。
評価が低い社員ほど陰口が多いイメージがあります。
評価の高い社員が、評価の低い陰口社員の負のオーラに巻き込まれ、同じように程度の低いコミュニケーションをとるようになると組織全体の士気が下がるので注意が必要です。
評価が高い社員はいつも前を向いています。評価が高い社員は、陰口ばかり言って仕事をしていない社員に足を引っ張られないよう注意しましょう。
コミュニケーション失敗例5:自分が理解されていると思い込んでいる

コミュニケーションの失敗例5は、自分中心に世界がまわっていると考えている勘違い社員の失敗例です。
過保護で育ったか、自意識過剰の根拠のない自信家に多いタイプです。自分は仕事ができると思っているか、自分なりに努力をしている人は勘違い社員にならないよう注意しましょう。
まともに対話をしていないのに、相手は自分のことを知ってくれていると思っているのが特徴です。つねに自分は守ってもらえると思っていて、たまに別の人がほめられていることを知れば目くじらを立てて怒ります。
組織にいる自覚がなく、自分の成果だけを追求して成果に関係のない仕事をすべて他の人に押し付けるなど、他の社員に悪い影響を与える可能性がある場合は注意が必要です。
勘違い社員は井の中の蛙タイプです。
まわりからすれば自己評価ほど仕事はできていませんが、せまい世界で天下を取ったと勘違いしているので、まわりには実力以上の過剰評価を求める傾向にあります。
忠誠心があるタイプだとさらにややこしく、上にはペコぺコ、下には厳しい態度になるので最悪です。
勘違い社員は、将来出世すると「上にはゴマをすり下には厳しい」嫌な上司になることが多いので注意しましょう。
【まとめ】コミュニケーションは話すときと聞くときで使いわける

コミュニケーションの意味は、情報を伝達しあうことです。
情報を伝達することではなく、伝達しあうことだと覚えておきましょう。
コミュニケーションの種類には、言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションがあります。自分が話すときは、相手がわかりやすい言葉を使う言語コミュニケーションを意識しましょう。
相手の話を聞くときは、相づちなどの非言語コミュニケーションを意識することが大切です。
話すコミュニケーションはていねいにわかりやすい言葉で話す
コミュニケーションをとるときは、言葉足らずに注意しましょう。
もし、相手があなたの話を理解できていないなら、あなたの説明が言葉足らずで相手にきちんと伝わっていないことが原因だと考えましょう。
相手との距離を感じる場合は、あなたの表情や態度が無意識に相手とのコミュニケーションを拒否していると受け取られている可能性があります。
話を聞くときに腕や足を組む、あるいは、眉間にしわを寄せて聞いていないか確認しましょう。
聞くコミュニケーションはしぐさや表情をフィードバックする

- 話すときはていねいにわかりやすく言語コミュニケーションを使う
- 聞くときは適度な相づちなどの非言語コミュニケーションを意識する
コミュニケーションをとることに苦手意識があるなら、相手の話を聞くことに徹してみましょう。
話を聞くときは、非言語コミュニケーションを意識することで、相手の話すリズムに合わせて、適度に相づちをうてるようになります。
あなたが非言語コミュニケーションの相づちをつかって、相手に話を聞いていることを伝達すれば、相手はあなたが話を聞いてくれていることが理解でき、コミュニケーションが円滑になります。
コミュニケーションをうまく取りたいと思うなら、話を聞くことに集中してみましょう。コミュニケーションの基本は、自分が話すことではなく相手の話を聞くことなのです。